pillar · AI PC Operation / OGINAU Remote
ChatGPTから自分のPCを操作する仕組み完全ガイド
ChatGPTやCodexなどのAIがPCのファイルを扱う方法と、MCP・認証・Gateway・Windows Connectorの仕組み、安全設計をOGINAUの実装経験から解説。
まず結論
ChatGPTなどのAIを使って、自分のPC上のファイルを読み取ったり、編集したり、作業を実行したりすることは可能です。
たとえば、PCに保存した複数の資料を読み取る、ファイルを整理する、プログラムを修正してテストするといった仕事です。ただし、AIが実際にできる作業は、利用する機能・実行環境・接続状態・アクセス許可によって異なります。
チャットにファイルをアップロードして処理する方法もあれば、対応するローカル作業環境を使う方法、外部のツール接続を通じてPCへ処理を依頼する方法もあります。
この記事では、AIがどこで仕事を実行し、どのPCやファイルにアクセスできるのかという観点から、それぞれの方法を整理します。
全体像
AIからPC上の仕事を行う方法は、大きく3つあります。
方法1:ファイルをAIに渡して処理する
もっとも身近なのは、チャットにExcelやPDFなどのファイルをアップロードして処理する方法です。AIに分析や要約を任せ、できた結果をダウンロードします。
この場合、AIが利用できるのは基本的に渡されたファイルや許可されたデータです。元のPCにある別のフォルダを自動的に探索したり、元ファイルを直接更新したりできるとは限りません。
方法2:AIがPC上の作業環境を利用する
AIがローカルのフォルダや開発環境へアクセスして仕事を実行する方法です。
たとえばChatGPT Workの対応するデスクトップ環境では、許可されたローカルファイルやアプリを扱えます。Codexは、ローカルまたはクラウドの開発環境で、コード編集・テストなどを行うための機能です。
同じ「PCの仕事をAIに任せる」でも、実行場所が手元のPCなのかクラウドなのかによって、利用できるファイルや権限は異なります。
方法3:AIとPCを外部ツールで接続する
AIとPCの間に接続サービスを用意し、AIが呼び出した操作をPC側で実行する方式です。
AIが「指定フォルダの一覧を取得して」と依頼すると、接続サービスが操作要求を受け取り、許可された範囲で処理し、その結果をAIへ返します。
OGINAU Remote は、この方式で利用者所有のWindows PCをAIの実行先として接続する製品です。
主要トピック
AIとPCを接続すると何ができる?
たとえば毎月の報告書作成では、担当者がフォルダを開き、複数の資料を読み、数字を整理し、報告ファイルを保存します。AIに対応するファイル操作Toolが与えられていれば、これらの工程の一部をまとめて依頼できます。
- 指定フォルダ内の対象ファイルを確認する
- 許可されたデータを読み取る
- 情報を整理して報告内容を作る
- 完成したファイルを指定フォルダへ保存する
これは利用例であり、どのAI接続方式でも無条件にすべて実行できるという意味ではありません。利用できるToolと権限が前提です。
MCPとWindows Connectorを組み合わせる仕組み
OGINAU Remoteのような接続方式は、主に5つの要素に分けて理解できます。
1. MCP:AIが利用する操作を定義する。 MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリケーションと外部ツール・データをつなぐ共通プロトコルです。ファイル一覧の取得や読み書きなどをToolとして公開できます。MCP自体がPCへの無制限アクセスを許すわけではありません。詳しくは「MCPとは?」で解説しています。
2. 認証・認可:誰が何を使えるか確かめる。 ユーザー本人を識別し、対象PCの所有関係や許可された操作を確認します。ログインできることと、あらゆるファイルを編集してよいことは別です。
3. Gateway:操作要求を適切なPCに届ける。 AI側とPC側の通信を仲介し、対象PCの選択や権限確認を担当します。特に、別の利用者のPCへアクセスできないようにすることが重要です。
4. Windows Connector:PC側で実際に実行する。 利用者のWindows PC上で動作し、許可された要求に従ってファイル一覧取得・読み書きなどを実行し、結果を返します。
5. Allowed Root:操作できる範囲を限定する。 仕事用フォルダだけを許可するなど、AIに利用させるファイルの境界を設けます。ファイル移動では移動元と移動先、更新では競合の有無なども確認する必要があります。
実際の操作はどう流れる?
「作業フォルダにあるファイルを一覧にして」とAIへ依頼した場合、MCPを利用する接続方式では次のように処理します。
- 利用者がAIに作業を依頼する
- AIが利用可能なToolの中からファイル一覧取得を選ぶ
- MCP経由で操作要求が送られる
- Gatewayが利用者・対象PC・操作権限を確認する
- Windows Connectorが許可フォルダ内のファイル一覧を取得する
- 結果がAIに戻り、利用者へ説明される
PCがオフラインだったり権限が不足していたりすれば、操作は実行できません。AIに無制限の実行権限を与えるのではなく、許可された処理を安全に実行できるようにすることが重要です。
MCP・Computer Use・リモートデスクトップの違い
| 方式 | 主な仕組み | 向いている用途 |
|---|---|---|
| MCPによるツール接続 | 定義済みの操作を構造化して呼び出す | ファイル操作、検索、API連携 |
| Computer Use | AIが画面やUIを理解して操作する | GUI中心の業務 |
| リモートデスクトップ | 離れたPCの画面を表示・操作する | 人による遠隔PC操作 |
これらは排他的な技術ではありません。操作内容が明確なら専用Toolを利用し、画面操作が必要ならComputer Useを利用するといった選択が考えられます。
実装・検証から分かったこと
OGINAUでは、AIと利用者所有のWindows PCを接続する OGINAU Remote を開発しています。社内の開発・検証記録には、次の実行結果が残っています。
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Windows PCとのE2E接続: GatewayとWindows Connectorを経由した初期試験で5項目がPASS
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MCP経由のファイル操作: HTTP MCPからConnectorを経由してWindows側の操作へ到達する経路を検証
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フォルダ制限: Allowed Rootでアクセス可能なフォルダを制限する仕組みを実装・検証
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書き込み競合の検出: SHA-256によるガードで、古いファイル状態を前提とした書き込みを拒否できることを確認
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操作権限の分離: 公開向けのファイル操作と、内部向けの強力な操作機能を区別する構成を検証
これらは開発時点の検証結果です。現在の一般提供状況や、あらゆる環境での動作を保証するものではありません。
OGINAU Remoteの目的は新しいAIモデルを作ることではなく、普段使うAIと利用者のWindows PCをつなぐ実行経路を提供することです。
AIとPCを接続するときの安全性
AIによる作業を許可する場合、便利さだけでなく安全性も重要です。
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本人確認: 誰が操作を要求したか識別できるか
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権限管理: 読み取り・書き込みなどを分けて制御できるか
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フォルダ制限: 許可範囲の外へアクセスできない設計か
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接続解除: 不要な接続を取り消せるか
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監査記録: どのような操作が要求・実行されたか確認できるか
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誤操作対策: ファイル更新や重要操作への保護があるか
MCPを採用するだけで安全になるわけではありません。ユーザー認証、権限、対象PCの所有関係、ファイルのアクセス範囲を組み合わせて管理する必要があります。
根拠・一次情報
この記事では公開仕様とOGINAUの実装・検証記録を区別して参照しています。
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Model Context Protocol公式仕様:MCPの接続モデル、Tools、Client / Serverの役割
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OpenAI公式:ChatGPT WorkとCodex:Chat・Work・Codexが担う仕事と実行環境
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OGINAU Remote開発記録: Windows ConnectorとGatewayの接続、ファイル操作E2E、Allowed Rootによる範囲制限、SHA-256書き込み競合検出の実装と試験
内部の認証情報や利用者固有の情報は公開していません。記載した検証結果は開発記録に基づくもので、実装・構想・一般提供を混同しないようにしています。
技術仕様・開発記録の確認基準日:2026年10月9日。
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MCPの基本概念を理解すると、AIがPC以外の外部サービスとも接続する仕組みを整理できます。
まとめ
ChatGPTなどのAIから自分のPC上のファイルを扱ったり、作業を実行したりすることは可能です。
その方法には、ファイルをAIに渡す方式、AIがPC上の作業環境を利用する方式、外部接続サービスを通じてPCへ操作要求を届ける方式があります。
大切なのは、AIがどこで仕事を実行し、誰が環境を管理し、何を許可するかです。
OGINAUでは、この選択肢の一つとして、利用者所有のWindows PCをAIの実行環境へ接続する技術を開発・検証しています。